人はどういう訳か人がいっぱい居る所に集まる習性があります。
生まれ育った故郷を捨て、都会を目指します。
 人は一人では生きていけません。
特に日本は太古から村社会を作り寄り添い助け合って生きてきました。
他人の欠点をあまり口にせず、勤勉さと質素な生活を美徳とする民族です。

他人との関係をスムーズにするため挨拶、礼儀作法などを考え出しました。
今でも小さな村に行くと村人同士が道ですれ違うときは、他愛も無い事に聞こえる言葉を掛け合います。

小さな社会と言うことから考えれば、都会であろうと村であろうと変わりありません。
挨拶は最低限のルールです。

上のほうから挨拶はちゃんとしなさいと強制するものではない代わりに、挨拶なんてしないでも良いという事は絶対にありません。

これは相手が好きか嫌いかと言う好みで決めるものでもありません。

筆者の仕事場でこんな事〈本人から相談〉がありました。
一人のあるスタッフが帰る時に、殆どの人にはちゃんと挨拶して帰るのにある特定の人に挨拶をしないのです。

相談してきた人と〈その人)とは仕事中は普通に会話もしているし、皆と比べても特に変わった様子は見当たりません。

最初、気のせいだろ。とか気にするなとか、聞こえないだけじゃないのとか、言っていましたがどうもそうではないらしいと言う事が解ってきました。

その挨拶の部分だけを無視〈シカト)するんです。
他の部分は皆と変わらないのにです。

シカトされた人にとっては、たかが挨拶といえども毎日のことなので、物凄いダメージを受けるんですよ。

筆者の知る限り、これをやるのは殆どが女性です。

何故男同士ではこれが少ないか解りません。
一つ考えられるのは、同じ事をされても、された本人が気が付かないと言う事があって無駄な抵抗で終わっているのかもしれません。

「知らず知らずその人を傷つけているんじゃないの?」
とか、「気にするなよ」とか男はアドバイスのつもりで言うのですが、こういう時は何の慰めにも解決にもなりません。

些細な事でも二人の話を聞くことです。
じっくり話を聞けば何か見えてきます。
下手なアドバイスは必用ありません。
とにかく言い分を聞くことです。黙って。

二人の間に出来た溝が見えてきます。
当事者同士では一度出来た溝はなかなか埋められません。

誰かが話を聞いてくれるだけで溝がなくなることもあります。

別のケースでこんなことがありました。
仲の悪いと言うか(気が合わない)女性二人の間に入って話を気た事があります。
 ある女性から職場の人間関係について相談があり、話を聞きました。
相手に対する恨み辛みもありますが、「正論」がとても多いんです。
私が正しくてあの人が間違っているんだと言う話がとても多いんです。
 聞いててもまさに正論です。
相手には話さないでくれと言うことでしたが、それじゃ何の解決策にもならないのでは?
と言うと明日から一緒に仕事できないと言うので、言わない約束をしました。

数日後、今度はその相手から相談を受けました。
もちろん〈相手には言わない)ことを約束されたのは言うまでもありません。

よーくその人の話も聞きました。
正論です。まさに正論。あなたは間違ってはいない。

二人の話はそっくり同じでした。
相手の欠点と思っていることが、実は相手から見れば自分の欠点でもあるわけです。
二人はお互いに磁石のマイナス同士をくっつけたみたいに反発ているかのようでした。

最後に言った「ストレスでどうにかなりそうです。」
と言う所まで話は同じなんです。

機会があればどうすれば、この地獄から脱出できるか述べたいと思います。